エンザイム株式会社 鈴木一哉様へインタビューを行いました

お知らせ

エンザイム株式会社の鈴木一哉取締役営業部長に、エンザイム株式会社のミッションについてお話を伺いました。

エンザイム株式会社の鈴木一哉取締役営業部長に、エンザイム株式会社のミッションについてお話を伺いました。

エンザイム株式会社は、腐植土を利用した汚泥削減システムを開発。従来の処理と比べ高い削減率と低コストを実現。東日本大震災では仮設トイレの消臭・抗菌対策にも活躍した。腐植土に含まれるフルボ酸を利用した化粧品の開発も行う。

宜しくお願いします。まず事業の概要からお伺いしていいですか。

私たちの事業のメインは腐植土の用途開発でして、環境事業と化粧品関連、ふたつの事業を行っています。

前社長が元々腐植土の採掘地を持っていたのですが、当時は採掘したものをプラントメーカーに売るだけでした。エンジニアでありドクターでもある現社長になってから研究開発を自社でするようになって、オリジナルの研究やオリジナルの素材ができるようになりました。

環境事業とは、廃棄物処理などですね。

廃棄物というのは、廃れて棄てる物と書きますが、私たちは、世の中に廃れて棄てる物は一切ないと考えています。例えば生活をすればゴミが出ます。昔は全部土に埋めてたい肥にして農地に戻していたわけですね。それを今は自分たちで不要なものと定義して、集めて燃やしてしまう。イノベーションが進んでモノを作って、その過程で出る物をどんどん廃棄してしまっています。本当はもっともっとリサイクルできるし、そもそも出さないということもできるはずなんです。

公害の問題は、イノベーションの代償としてでてきていますが、足尾銅山、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく、もっとその時に環境問題を考えていれば、そんな代償は必要なかったのではないでしょうか。あまりにもイノベーションとか進化に注力しすぎて、環境問題が後回しになってしまった。

僕らはそういうことはないですよと。ぜんぶ戻せる。元に戻す。昔の考え方に戻せばいいんじゃないかと考えています。

弊社のミッションは「腐植土とともに環境と健康を考える」なんです。

私たちは腐植土という特殊な材料を扱っていて、腐植土とともに常に環境問題と、人が暮らしやすい健康を考えています。腐植土なしでは仕事しないし、腐植土を使っても環境と健康以外のことはやらないんですよ。

具体的にはどのように環境を改善しているんですか?

工場、主に食品が多いですが、そこから出る排水や汚泥、廃棄物を腐植土を使って処理して、綺麗にするあるいは減らすことをしています。環境に優しくなるのもメリットですし、廃棄物を減らす事はその廃棄コストの削減にも繋がります。

ミッションとビジネスの結びつきという点ではどうでしょうか。

実際には法規制があるから、あるいはコストを削減するためというのが主な理由で、お金をかけてもやってやろう、という認識のクライアントは少ないですね。ですので最初はなかなか受注ができなくて、それで考えたのがエスコ方式といって、まず費用はこちら負担でとにかくやらせてもらう。削減に成功したら初めて削減できた費用の中から成果報酬を頂く。クライアントのリスクを限りなく無くす事でようやく道が開けました。

環境改善にはクライアントの意識も必要そうですが。

いつもクライアントにもお話ししていますが、廃棄物を減らすか減らさないかって言うのは、クライアントの問題なんです。業務改善活動の1つなんですね。私たちはそのお手伝いをしているんです。エンザイムが来て何かをしたら減ったではなくて、結果をウォッチして議論をして、確認と改善フローを回してより効果の高い運転の仕方を探るんです。そうするともっと成果がでます。クライアントにもその意識が無いと駄目だし、定着性も変わります。

今後の展望を聞かせてください。

全国肥料化プロジェクトというのをやっていて、減らした汚泥を今度は有価物として売却してるんですよ。それまで、費用を半分に削減したと喜んでいたものを、さらにその半分も無くしてしまいましょうと。その第一号が来月スタートします。好評です。

通常、汚泥は中間処理場で6カ月くらいかけて肥料になるんですけども、腐植土を使うと工場から出たものを直接肥料メーカーに売却できるレベルまで処理できます。汚泥削減と汚泥の肥料化、有価販売がセットでできてしまいます。

それを今度は6次産業にもっていきたいと構想しています。農産物の缶詰工場の排水処理の削減をするとします。ここで処理したものを農産物の生産者に供給すると、肥料コストが下がる。それをまた缶詰工場に販売すれば、地産地消の循環が起きます。さらに今の製品の味覚や歩留まりが良くなれば買取価格があがる可能性がありますし、安定的に供給できて生産量が増えるかもしれない。こういった良い循環を各地域で作って活性化を図りたいというのが、全国肥料化プロジェクトの基本的な考えです。

化粧品の方はいかがですか?

化粧品は、製薬会社や化粧品会社とタイアップをしながら、腐植土を利用した今までにない新製品を出していきます。3年以内には環境ビジネスと同じ規模まで持っていきたいと思っています。

今までにないとは?

例えば、高級シャンプーでもリンスのいらないシャンプーが可能です。化粧を落としたあとの洗顔が要らないクレンジングバームもできます。他にも目のくまに特化したマスクですとか、ニッチで新しい商品を作って行きたいですね。ニッチだと競合はいません。ただニッチすぎて知られてもいないので、始めのハードルは高いんです。そこで成功事例を積み重ねると、これほど強いものはない。ニッチのスペシャリストとして生きています。

最後に目標を教えてください。

恒久的に役に立って、排水や汚泥ならフルボ酸使わないと駄目だよ、って一般的になっているようにしたいですね。ニッチではなくなったとき、そこがゴールかもしれないですね。

インタビュアー:将積哲哉

関連サイト
エンザイム株式会社
http://www.enzyme.co.jp/

フルボ酸ポータルサイト
http://fulvic-enzyme.com/

国産フルボ酸配合化粧品
http://www.ones-cot.com/

将積 哲哉

将積 哲哉

1978年生まれ。信州大学繊維学部感性工学科卒。 船舶エンジンメーカーで基幹システムの運用に携わり、その後株式会社インフォアスリート設立に参画。 サーバ管理からシステム構築の他、企業ロゴやデザインなど幅広くカバー。知的財産権にも明るい。